花粉症、初期療法に有効性
日本経済新聞・夕刊


【花粉症、初期療法に有効性―飛散前、早めに服薬・点眼を開始。抗アレルギー薬、症状3〜4割軽減】

 花粉症対策として、花粉が飛び始める前のちょうど今頃から、薬を飲んだり点眼したりする「初期療法」が 注目されている。花粉シーズンのアレルギー症状を3〜4割軽減できるという。 今年は昨年に比べて2倍の量の花粉が飛散するという予測もあり、早めに専門医に相談するとよいだろう。

 東京・中野に住む佐藤裕祐子さん(仮名、44)は、高校生のころから春になると花粉症に悩まされてきた。 鼻水とくしゃみがひどく、我慢できない時は市販の薬を飲んでいたが、なかなかよくならない。  日本医科大学付属病院の耳鼻咽喉(いんこう)科を受診し、血液検査でスギ花粉のアレルギーであることが判明、 初期療法を勧められた。

 ◇1月からが最良
 1月に入るとすぐに病院で処方されたアレルギー治療薬を飲む。毎春、鼻水がひどく1日でティッシュを 1箱使い切るほどだったが、1週間程度持つようになった。「電車の中などでも鼻水が出にくくなった」と喜ぶ。
 通常は症状がひどくなる3月ごろにアレルギー治療薬を飲む人が多いが、花粉症の初期療法は本格的に 花粉が飛散する前から抗ヒスタミン薬などを飲み続ける。日本医科大学の大久保公裕・准教授(耳鼻咽喉科)は 「症状が軽くなり、最終的に飲む薬の量を減らせる」と説明する。

 初期治療はまず耳鼻科や内科、眼科で、問診やアレルギー検査などで診断を受ける。 医師と相談して、毎年の症状に適した薬や服用を始める時期などを決める。
 その後は1ヵ月に約1回通院して、その時の症状に合った薬を処方してもらう。 「症状が出てきたら薬を増やすなどして、うまくコントロールすることが重要」と聖路加国際病院の 今井透部長(耳鼻咽喉科)は話す。

 1月に入ってすぐに始めるのがベストだが、花粉が飛び始める1月下旬ごろでも十分、間に合う。
 千葉大学の岡本美孝教授(耳鼻咽喉科)らは200人の患者に協力してもらいスギ花粉の飛散が始まる 2日前または3日後に薬を飲み始めてもらった。飛散開始の前後では結果に差はなく、 くしゃみや鼻水といった症状を平均3割程度抑えられることがわかった。

 ◇副作用出にくく
 目のかゆみや充血の症状を抑えるには、飛散開始の2週間前から1日4回、抗アレルギー薬を点眼する。 効果が出るまで比較的時間がかかる薬を使うため、くしゃみや鼻水対策に比べて早くから治療を始めなければ ならない。福岡大学の内尾英一教授(眼科)は「(初期療法によって)軽症の患者でほとんど(目のかゆみなどの) 症状が出なくなる」と説明する。

 花粉症治療薬には飲み薬だけでも十数種類ある。初期療法ではアレルギー症状の原因になるヒスタミンを 抑える抗ヒスタミン薬を飲むことが多い。効き目が出るのが早く、とくにくしゃみや鼻水によく効く。 眠気や口の渇きといった副作用を伴うが、10年ほど前から従来よりも眠気の少ない「第二世代」薬がよく 使われるようになってきた。

 花粉の飛散量が増えてくると症状に応じて、複数の薬を併用したり点鼻薬を使ったりする。 目のかゆみには、点眼用の抗アレルギー薬をさす。痛みや充血、まぶたの裏に突起物ができるなどのひどい 症状にはステロイド点眼薬がある。ただ、長期間使うと緑内障になる危険性があるので眼科医の指示に 従って使うようにしよう。

【主な花粉症の治療薬】

1.鼻の症状
@抗ヒスタミン薬
1)使用法:内服(鼻へ噴射もあり)

2)適用する主な症状:くしゃみ、鼻水

3)特徴:よく使われる、すぐに効く、初期療法に使われることが多い。

Aロイコトリエン拮抗薬
1)使用法:内服

2)適用する主な症状:鼻づまり

3)特徴:効果が出るまで時間がかかる。

Bステロイド薬
1)使用法:鼻へ噴射(内服もあり)

2)適用する主な症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり

3)特徴:効果が強い、内服の場合は副作用の危険がある。

C化学伝達物質遊離抑制薬
1)使用法:内服

2)適用する主な症状:鼻づまり

3)特徴:効果が出るまで時間がかかる。

2.目の症状
@化学物質遊離抑制薬
1)使用法:点眼

2)適用する主な症状:目のかゆみ、充血

3)特徴:初期療法に使われる。

Aステロイド薬
1)使用法:点眼

2)適用する主な症状:症状がひどいとき

3)特徴:長く使うと緑内障など副作用の危険がある。






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